山崎の崎の右側、大と可じゃなくて、寿やね!?
サトイモの感想:歴史を考えるとフラットに評価しづらいね…
好き度:7/10
試してみる価値度6/10 参考価格¥28000前後
(希望小売価格¥8500円)であれば10/10
- ジャパニーズウィスキーの歴史を紐解きたい方
- シェリー系でミズナラ系が好きな方
- スコッチに飽きてミズナラを感じたい方
香り:うっとり、甘くシェリー系の上品さ、チェリー、赤い葡萄、プラム、トーストしたパン、乾いたミズナラ香、蜂蜜
味わい:優しくスムーズ、蜂蜜スウィート、スパイシーさも、ウッディ、ミズナラの香りが口に広がり若干の樽の渋みが複雑な味わいを加える、赤い果実を感じるが香りほどフルーティさは主張せず、思ったより複雑系
グレンファークラス12年を思わせる味わい
シングルモルトでこんな複雑を感じられるのは面白いね!
シェリー、ホワイトオーク、ミズナラ樽
山崎蒸留所の歴史
1923年山崎蒸留所の建設計画が動き出す
1924年蒸留所が稼働
1983年にシングルモルト「山崎」の先行販売にさきがけ、ウィスキー事業60周年を記念して、酒販関係者に贈答された山崎ゴールドボトルが非売品で登場
1984年 一般向けに山崎が売り出される(年数表記はないが12年に相当する、最初の2年間は年数表記なし)
1976年 山楽オーシャンから「オーシャン軽井沢」が発売(国産初のシングルモルト、2000年にウィスキー蒸留製造を終了し、を2012年に完全閉鎖)
1984年 ニッカがシングルモルト「北海道12年」をリリース(余市蒸留所50周年を記念して限定発売)
1988年にUD(ユナイテッドディスティラリ―)社がクラシック・モルト・シリーズを発表
スコッチの生産地区を代表する6銘柄が選出された(シングルモルトブームの火付け役となった)
なぜ80年代にシングルモルトを売りだしたのか?
1980年代にはブレンデッドウィスキーの大不況が始まったので、それに対抗すべくアイディアを出していた各社の奮闘を垣間見れる…
1992年に18年
1995年に10年(度数40%)が発売(2004年まではグリーンラベル、2013年に終売)
2012年には「山崎(ノンエイジ度数43%)」が発売される
ワイン樽の使用などで物議を醸すこととなる
(10年、12年ボトルには、初めの1杯はストレートでとの記載しているがノンエイジではその記載がなくなる…)
が、徐々にワイン樽、ミズナラ樽の複雑な香味が消費者の心を捉えていく
1986年~1989年3月 12年表記が加わる 760mⅼ(89年4月以降は750ml)
2003年~2004年 従来のピュアモルトも併記しシングルモルトと表記が追加(2003年、ISCで金賞受賞)
2004年 ピュアモルトの表記がなくなりシングルモルトに統一される
2010年 容量は700mlに減少
2020年 ジャパニーズウィスキーの表記が追加
1992年 山崎18年が限定1万本で発売(¥25,000円)数々のコンペで受賞
1999年 山崎25年が年間1200本で発売(¥125,000円)、もともとはシェリー樽のみを厳選した内容だったが、2021年のリニューアルで主要な構成原酒がミズナラ、スパニッシュ、アメリカンオーク樽になる
2020年 山崎55年が100本限定で発売(300万円)、1960年蒸留のミズナラ、1964年ホワイトオークなどを使用。香港のオークションで8500万落札され話題となる
2005年、2007年に山崎50年(100万円、度数53-57%)が50本限定、2011年には150本限定でリリース。2018年には香港のオークションで¥3250万円で落札され話題に。
スコッチでは、他社の蒸留所とも原酒の交換を行うたしゅたよな原酒によるブレンドも可能だが、日本ではそういった文化がない(というか蒸留所自体が少なかった)
シングルモルト山崎の構成原酒である、カスクシリーズも人気、「シェリーカスク」「パンチョン」「ミズナラ」の樽による作り分けによる個性の豊かさが特徴
2014年 「山崎シェリーカスク」がウィスキーバイブルにおいて最高得点を獲得
まとめ
山崎を出したときに、佐治敬三社長(創業者・鳥井信治郎の次男)のアイディアにより、山崎の崎の右を寿にしたという…
1962年に信治郎氏が亡くなり、社名を1963年に寿屋からサントリーに変えた敬三氏。
シングルモルト山崎を出すときには、社名を古めかしい寿屋ではなく、サントリーに変えた敬三氏は、ウィスキー事業60年を記念するシングルモルト山崎に、寿屋の寿をあててくるあたり、かなりの義理堅い人、そしてオシャレさんやん…素敵やん…
響きがめちゃ美味かったあとの山崎は、ちょっとハードルあがってしまった感!
シングルモルトの山崎で、どうだ!
12年どうだ!
といわれると、ほぉ、そうか、そうか…というテンションに…
美味しいんだけど、響で感じた感動が山崎で同じように感じられるかというと、ふぅぅむ、となってしまったのでした…
ということで、山崎を構成するカスクストレングスが気になるぅぅぅ!
蒸留所に行くしかないんですかね…
ではでは今日も夜な夜な琥珀色、また!