ローランドのシングルモルトらしいよ?!
サトイモの感想:こ、これは美味い!
好き度:9/10
試してみる価値度:10/10 参考価格¥6000円前後(24/3)
- 隠れた銘品を飲んでみたい方
- フルーティだがそこまで強くない上品なスモーキーさも感じたい方
度数:46.7%
香り:上品な蜂蜜、完熟パイン、爽やかなシトラス、臭くない南国ミルクフルーティなドリアン、奥にスモーキ―さも
味わい:スウィート、だがスモーキ―もしっかり、フルーティさがはじめは隠れていたが飲み進めると味の中核に確かに存在、少し時間を置いて飲むとトロピカル、ココナッツの要素も感じられる、多彩な味わい
これすごく好き!
ブラドノック蒸留所について
ウィグタウンから1.5キロほど行った先にあるブラドノック蒸留所は、名称の由来であるブラドノック川の曲がりくねった流れそいの土手に建っている。
ここはとりとめなく広がった大きな蒸留所で、蒸留所の背後には大きな熟成庫群が頭を野原に突き出している。
敷地内を歩いてみると、どの建物にはいっても裏口から入ってしまったような気分になる。
いや、そもそも正面玄関などないのかもしれない。
ブラドノックは、計画的に建てられた蒸留所ではなく、黒い石とスレート屋根の建物をでたらめに寄せ集めて、たまたまそのひとつにウィスキー作りの設備を設置したような雰囲気だ。
他の建物には売店やカフェ、事務所、村の集会所となっているバーがある。
また、古いキルンはイベント会場、さらにはキャンプ場にもなっている。
蒸留所というよりは一つの地域社会をなしており、1817年以来、村の中心的な場所となっている。
この蒸留所ではどの部屋にも驚きがあると感じられたが、最初にマッシュハウス(横の入口から入った)からして驚かされた。
ここではやや濁った麦汁が、6基のオレゴン松製のウォッシュバックに投入され、ゆっくり発酵される。
所有者のレーモンド・アームストロングが言うには、発酵時間は「3日間には4時間足りない」そうだ。
スチルハウスは「ハウス」というより小部屋のようだ。
そこには工場によくある横桟もはしごもなく、床から突き出してスチル周りを囲む格子もない。
スチルマンのジョン・へリーズが、がたつくテーブルの際で全てを管理しており、テーブルの横にはスイッチやバルブのついた木製の箱が置かれている。
この状態でうまく操業しているという事実には驚かせられる。
蒸留所は1938年から1956年まで閉鎖され、1992年まで再び操業し(後半はベル社の傘下だった)、1993年にまた閉鎖された。
翌年、ベルファースト出身の測量士だったアームストロングが、別荘群に改修するつもりで蒸留所を買い取ったが、彼はこの場所がすっかり気に入ってしまった。
おしゃべり好きなアルスター人は、前の所有者だったディアジオ社に、生産を再開できないかと交渉を試みた。
ディアジオ社はしだいに態度を和らげ、年間10万ℓのウィスキー生産をアームストロングに許した。
しばらくの間、法的な手続きや工場の再設計に時間がかかったが、2000年、スピリッツが再びスチルから流れ出た。
「ディアジオ社は閉鎖前に大量生産したんだ」へリーズは振り返る。
「何もかも強行的にやったものだよ。でもいまはまた、のんびりやっているよ」へリーズの言葉は古い製品にナッティな特徴が感じられ、アームストロングの買収以降のウィスキーがネクターのようにヘビーで花のような特徴がある原因を説明している。
「ウィスキービジネスのやっかいな点は、愛好家の多くがローモンドモルトの繊細さとエレガントな特徴をわかってくれないことだ」とヘリ―ズは語る。
彼はさながらウィスキー伝道者の生まれ変わりだ。
「だからとにかくみんなを説得するしかない」本書を書いている時点ではブラドノックは破産申請をしているが、すでに何人かの買い手が興味を示している。
まとめ
ローランドは繊細で、フルーティ、ライト感によりアイリッシュと王道スコッチの間といったイメージのサトイモ。
これがローランドのシングルモルト!?
びっくり!
スペイサイドど真ん中のシングルモルトといってもおそらく、多くの人はわからないのではないのでしょうか…
酒質わりとヘビー、なぜかスモーキ―さもまとい、フルーティさが主張する今回のボトル。
いいのに出会いました…
蒸留所の歴史みたら、閉鎖して再開してを繰り返しているよう。
いまこのボトルを飲める巡りあわせに感謝!
ではでは今日も夜な夜な琥珀色、また!