アイリッシュ

【ブッシュミルズ12年】のレビュー!

satoimotaro

アイリッシュの12年ものはどうなんだろ??

サトイモの感想:これは落ち着く…いぶし銀光る…

好き度:9/10

コスパ:7/10 参考価格¥4500~5000円 

おススメする人

スコッチとアイリッシュの間をお求めの方

刺激的でなく、なんだかゆっくり飲みたい方

飲み疲れしない、でもしっかりウィスキーを味わいたい方

香りバーボン樽由来のバニラ、少しの溶剤、蜜たっぷりのリンゴ、フレッシュでも熟したものでもないぶどう、ウッディさも

味わいクリアなのに味わい深い、麦の甘み、フルーティさ、スコッチにはないライト感、甘いが余韻に少しの渋みがあり良いフィニッシュ

余韻が意外に長くスウィート

satoimotaro

スコッチにはない優しい味わいだねぇ!

感想

久しぶりのアイリッシュ!

美味しい!

あまり印象のないアイリッシュですが、主張ばかりが良いことではない!といわんばかりのいぶし銀が光っていました。

といっても、しっかりとした味わいがありつつも優しい味わいという稀有な存在です。

漫画のレモンハートでも、このお酒を飲むと、なぜかノスタルジーになり、少年時代の話をしたくなるという物語がありましたが、なんとなくわかる気がしました

最近アイリッシュも面白い動きが出てるので楽しみですね。

では今日も夜な夜な琥珀色、また!

ブッシュミルズ蒸留所について

アイルランドとスコットランドの間、ノース海峡は昔から行き来が盛んだった。

物語や詩歌、そして政治と科学の共有、人と思想の盛んな交流が続いている。

ウィスキーもその一つとして欠かせない。

ウィスキー造りの知識も1300年にビートン一家が海峡を越えてアイラ島へ移住した際に伝わったのだろうか?

ブッシュミルズはそんなストーリーの一部だが、アイルランドに関する事実にたどり着くには、まず不確かな部分をクリアにする必要がある。

例えばこの周辺で蒸留が許可されたのは1608年だが、小さなポットスチル2基を備えた最初の蒸留所が町にできたのは1784年である。

1853年には施設の改良が済んで電燈が設置されたが、電源が入れられた2週間後に舵で醸造所が焼失している。

電燈が原因かは不明だ。

1880年代にはウィスキーの蒸溜史家アルフレッド・バーナーが訪れ「あらゆる近代的発明に敏感だ」とほめそやした。

しかし3回蒸留ウィスキーはまだ造られていない

3回蒸留が始まったのはスコットランド人のジミー・モリソンがマネージャーとして雇われ、工程を改良してからだ。

彼の結論は「ほかに類を見ないトリプル型のポットスチル(蒸留)」を採用することだった。

それに1970年代まではピーテッドだった。

現在のラインナップはライトで草の香りを持つ3回蒸留のモルトとオリジナルブレンド。

芳醇でフルーティな「ブラックブッシュ」フレッシュでジンジャー風味の「オリジナル」が製造されている。

どちらも率直な風味で飲みやすいが、同時に複雑でもある。

変化を続ける蒸留所らしい風味といえる。

ブッシュミルズの要は、蒸留所内に一見ランダムに配置された9基のスチルから流れでるスピリッツだ。

スチルの細首は蒸気を留めて銅材との接触を増やし、還流を増やす。

ライトな風味を出すため、中溜釜からスピリッツを3回カットする。

ヘッドは初溜受けに流し、中溜を取り出しストロングフェインツ受けに入れる。

残りのウィークフェインツは初溜受けに留める。

そしてスピリッツ蒸留に用いられた2つのスチルにはそれぞれ7000リットルのストロングフェインツが満たされる。

ここでスピリッツとして集められるカットはわずか(86~83%)だ。

ただし残りの蒸留液はストロングフェインツとして回収されて蒸留が続けられる。

むろんウィークフェインツと余分なスピリッツも繰り返し再溜・カットされ継ぎ足される。

複雑な工程を理解すべく奮闘するより、蒸留所の中で目を凝らし、香りをかぎ、耳を生ます方が遥かに楽しい。

蒸留作業者はスピリットセイフに囲まれた中央部に立ち、コンサートホールの指揮者さながらにフレーバーをコントロールしている。

音は蒸気の噴出音とバルブの響き、旋律は層をなして入り混じる濃淡の芳香。

ブッシュミルズは直線的で整然とした所ではない。

流れだすフレーバーは絶えず変化し、重なり合い、わきにそれては収束する。

現在、ニューメイクの熟成はファーストフィルの樽で行うことが多い。

「このウィスキーはライトで複雑、フーゼル油が少ないんだ」とイーガンは語る。

「繊細なスピリッツを粗末な樽に入れるなんてできない」

ブッシュミルズの全てと進化するそのウィスキーは、ブッシュミルズがいつも自社の行先を見定めていることを物語る。

これまでブッシュミルズは冒険的な路線、困難な道を選んできた。

考慮の上か、直感的だったか、いずれにしてもブッシュミルズが生き残ったのはその選択のおかげである。

製造しているのは単なる「アイリッシュ・ウィスキー」ではない。

「ブッシュミルズ」なのだ。

「ブッシュミルズ」はフレーバーとその製造方法、受け継いできた言葉、文化的テロワールの点でひと味違う。

ここは先祖代々ウィスキーを造ってきた地だ。

アントリムの静かな小道と鋸刃のような海岸線は、探求精神と型破りな個性にこだわることを楽しむ、生まれついての蒸溜技術者を世に送り出してきたのである。

ABOUT ME
satoimotaro
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コロナ禍で沼にはまる。蒸留所の歴史やボトルに込められた情熱に想いを馳せながら夜な夜な琥珀色を求めて旅を続けています。