フランスでは人気のシングルモルトだという…
サトイモの感想:フルーティでハチミツ!
好き度:7/10
コスパ:8/10 参考価格¥5500円
- スペイサイドの上質なフルーティ系の若いものを探している方
- アベラワーが好きで、オフィシャルとは違う側面に触れたい方
- ボトラーズボトルの醍醐味を味わいたい方
香り:フローラル、ハチミツの甘い香り
味わい:すっきりスムーズ、ライト、リンゴ、洋ナシのフルーティさ、甘くリッチ
ハイボールにすると素晴らしい!フルーティさが広がり、爽やかな酸味と甘み、あじわいがしっかり感じられる
KINGSBURY(キングスバリー)とは?
キングスバリーは、老舗のボトラーズメーカーです。
ボトラーズとは?
自前で蒸留所を持つのではなく、蒸留所から樽を買って、自社で瓶詰、販売を行います。
それで蒸留所のオフィシャルボトルにはない変わり種のボトルをさらに熟成、販売することも可能です。
変わった樽を使用したり、今回のような若いウィスキーを販売したり。
それで、シングルモルト自体それぞれが個性的なのですが、ボトラーズボトルになると、さらに新しい発見や個性を見出せると考えられています。
そして、昔から蒸留所にとってボトラーズ会社はありがたい存在。
なぜなら、毎年毎年出荷が安定しているわけではないから(2022年現在はウィスキーブームが続いているため無茶苦茶安定している。というか原酒不足がずっと続いている…)。
ウィスキー消費が落ち込むなら蒸留所内に大量のウィスキーが余り、持て余してしまうので、安定的に買い付けてくれる会社があれば助かるわけです。
とはいえ、熟成に3年~10数年以上かかる蒸留所の都合と、消費者のトレンドの都合がいつも折り合うわけではなく、多くの蒸留所がこれまで閉鎖を余儀なくされてきました。
キングスバリ―のセレクションシリーズとは?
(2013年には)スコットランドには110の酒蔵・蒸留所があり、それぞれに個性豊かな味わいのシングルモルトウィスキーを生産しています。
キングスバリー・セレクションシリーズは、厳選した樽の味わいを損なわないように、無添加及び低温濾過せずに瓶詰されたウィスキーです。
温度変化によってうまみ成分が固形化し、澱や曇りが発生する場合がありますが、品質には問題なく、また人体への影響も一切ありません。
ボトル情報
年数 | 5年 |
蒸留年 | 2008年5月 |
瓶詰年 | 2013年6月 |
地域 | スペイサイド |
樽 | バレル(おそらくホワイトオーク) |
カスク№ | 800016、800017&800019 |
濾過 | 無濾過 |
ボトル生産量 | 972本 |
度数 | 43% |
容量 | 700ml |
瓶詰業者 | キングスバリー |
5年と若いけど味わいはしっかり!
アベラワー蒸留所について
参照:世界のウィスキー図鑑 デイブ・ブルーム:著
- 主なブレンド先:クラン・キャンベル、ハウス・オブ・ローズ
- 年間生産量:380万ℓ
アベラワーには1820年代から合法的な蒸留所が存在した。
地元の農夫、ジョンとジョージ。グラハムが運試しに新たな蒸留免許を取得したのだ。
ただし現在ある工場は1879年、ジェームズ・フレミングが建てたものであり、彼が本来の創業者とされている。
しかし工場は1970年代に再建されたため、仮に彼が見てもそれが自分の工場だとはわかるまい。
フレミングがいまのスピリッツを見て、自分の工場製だとわかるかどうかを考えてみるとさらに興味深い。
彼が事業を始めたのは、ライトな傾向が流行りだした1880年代のことだから、その点に問題はないだろう。
「自分にとってニューメイクのカギはクロスグリと小さな青りんごだ」以前この蒸留所のマネージャーだったウィンチェスターはいう。
「穀物香をさせないことも大切だ」。
確かにアベラワーはシーバス・ブラザーズ社独特のフルーティなハウススタイルにしっくり合う。
いっぽうウィンチェスターの言葉通り、熟成するにつれて、スグリの葉がハーブのような魅力的な香りを生み出す。
さらにこのフルーティさはソフトなミッドパレットを加える。
そしてスピリッツには適度な重みもあり、シェリー樽と抜群の相性を見せる。
ニューメイクにみられるクリスタルモルト寄り(穀物というよりも)のフレーバーは、このウィスキーの特色である熟したトフィーの風味が生まれる予兆だろう。
このしなやかな個性は、ヘビーなスタイルと繊細なスタイルのギャップを埋める存在のように思われる。
ウィンチェスターはこう付け加えた。
「おもしろいのは、立地的にグレンアラヒーのすぐ近くにあるにもかかわらず、スタイルがまったく異なっている点だ。全ての答えがわかる日は決してこないだろうね」
まとめ
キングスバリ―のボトルは初めてでした。
老舗で、ボトラーズの中ではわりと安価で手を出しやすい価格なものを販売しているイメージ。
今回は原酒に近い熟成年の少ないコレクション。
原酒に関しては、信州蒸留所、三郎丸蒸留所の原酒を飲んだもののウィスキーとのギャップがありすぎて、「濃すぎて、クセ強すぎて飲めん…」となりました。
今回はいい意味で期待を裏切る美味しさ!
5年でも熟成するとまろやかになったり、樽の要素がちゃんと伝わっているのがわかって面白い!
意外に飲みやすく、フルーティさ、甘みがあり、ネガティブな原酒のヘビーさが全くありませんでした。
でも、やはりオフィシャルの10年、12年ものはまろやかさでいうと完成された形なんでしょうね。
あらためてオフィシャルの今ある形がクラシックたるゆえんなのだと知見を広げることができました。面白い!
では今日も夜な夜な琥珀色、また!