サトイモ苦手なバーボン、今回はどうやろか?
サトイモの感想:うまいやないかい!
好き度:8/10
コスパ:9/10 参考価格¥2000円
- くせがなくしっかりとバーボン感味わいたい方
- 知多や陸、富士山麓などがお好きな方
香り:上品なバニラ、うっすら溶剤、柑橘系のフルーティさ
味わい:穀物のすっきりした甘み、ネガティブ要素がないウッディ感、スパイシーさもあり、めちゃスムーズ
ロックもよいが、ハイボールが良い!やや濃い目の知多のような味わいでバーボンの甘い香り味わいがしっかり
これまでのバーボンの中で一番好きです!
1000ml↓
ワイルドターキー蒸留所について
参照:世界のウィスキー図鑑 デイブ・ブルーム:著
黒く塗った鉄板で覆われたワイルドターキー蒸留所は、ケンタッキー川に臨む崖の上に建てられている。
その立地は長い間、かつてのバーボン業界の状態をそのまま体現するものだった。
バーボンが生き延びたのはある男の努力のおかげである。
男の名は、ジミー・ラッセル、このマスターディスティラーであり、60年もの間蒸留技術者として勤め上げた。
古参のバーボンの理想が残ったのは、ジミー世代の蒸留技術者が変化を拒んだからだといってもよいーーもしも変化がバーボンの特性と品質に妥協を求めるものならば。
ジミーとワイルドターキーは一種の共生関係だった。
「ワイルドターキー」はビッグなバーボンで、その濃密で芳醇な手応えある個性から、時間をかけてのむことになる。
つまり気忙しくないゆっくりした時間を表しているのだ。
ジミーはいかにも古いタイプの蒸留技術者らしく科学者に対してやや侮蔑の気持を抱いていたようで、「ターキー」のDNAについて質問された時も軽口で返した。
筆者が聞いて、エディに伝えた表現を記すなら、これまでやってきたやりかたでやっているだけさ、と答えたという(エディはジミーの息子で、ワイルドターキー蒸留所で35年間蒸留の仕事をしている)。
ワイルドターキー蒸留所が意図するのは味わいを高め、口の中にしっかりバーボンが留まるようにすることだ。
「コーンの分量は70%後半にしたり、70%半ばにする同業者もいる。小麦を使うところすらあるーーでも、それでは違うものになってしまうーートウモロコシの割合はここが一番低いんだ。私たちは伝統的なやり方で、より明確なボディ、味わい、特徴を出すようにしている」
その個性を出す過程は、蓋のない鍋とたった1つの酵母株を用いて発酵させるところから始まる。
「菌株がどれくらい古いかって?ここに55年勤めているが、私が来た時はもう使われていたよ!」ジミーは語る。
「フレーバーにも関わっていて、ヘビーな風味をだすのに役立っているんだ」
ホワイトドッグは124-126プルーフ(62%-63%)でスチルから取り出され110プルーフ(55%)でバレル詰めされる。
ジミーは「アルコール濃度が高いほど得られるフレーバが弱くなる気がするんだ。低めのプルーフでバレル詰めし101プルーフ(50.5%)でボトリングすれば、あまりフレーバを取りこぼさずに済む。それに昔ながらのスタイルがうまくだせるしね」と説明する。
それは1905年にこの地へと移住したリピー兄弟がすでに確立していたスタイルでもある。
彼らはペンシルバニア州タイロンに家族経営の蒸留所を持ち、1869年からバーボンを製造していた。
1940年、リピー蒸留所からウィスキーを買い取って販売していたオースティン・ニコルズ社社長が毎年開催する七面鳥の猟でバーボンを振舞った所好評を博し、これにちなんでブランド名を「ワイルドターキー」と名付けたという。
その後ワイルドターキー蒸留所はペルノ・リカール社に買収されたが、同社は蒸留所のポテンシャルを生かしきれず、2009年にカンパリ社が買い取ることになる。
カンパリ社は余り干渉しなかったが、それが却って功を奏したのだろう。
ジミーはバーボン造りに彼のスタイルを貫き続けた。
そして今、市場の動向が一周して戻ってきたようだ。
「消費者の好みが昔に返ってきたのだと思う」彼は言う。
「ワイルドターキーを飲むのは古い世代に限らない。フレーバーとボディを備えていて、ちびちびやりながら楽しい時間を過ごせるバーボンを探しているご新規さんもいる。禁酒法前の時代に戻りつつあるようだね。全ては巡るから」確かに、もう僅かな蒸留所(ワイルドターキーも含む)しか作っていないストレートライまでも人気が回復した。
バーボンがライト指向になった時、スタイルを変えたくならなったのだろうか?
「そちらの市場ではとても競争できなかっただろうね。だから一つは上役達が利益面で判断し、一つは私は哲学のせい、という事かな。バーボンがバーボンであることに誠実でいたかったーー薄めたバーボンじゃなくてね」
カンパリ社は施設に1億ドルかけて新たなビジターセンターと包装ユニットを造り、5千5百万ドルを蒸留所の拡大に費やして生産能力を2倍以上に増やした。
「ターキー」が飛翔した。
バーボンは深い淵をのぞき込み、そしてフレーバーの世界へ戻った。
ジミー・ラッセルは正しかったのだ。
まとめ
ついにバーボン、覚醒しました!
ちょっと高めのバーボン飲んでも、うーん…となっていたのですが、これは単純に美味い!と思えたバーボン。
この味わいで2000前後はコスパ最高ですねぇ。
また、メーカーズマーク挑戦してみようかな…今だと違う風に感じられるかも。
バーボンの旅に出かけるか…
では今夜も夜な夜な琥珀色、また!