25年ものなんてすごい~
サトイモの感想:樽感がすごい~
好き度:6/10
試してみる価値度:7/10 参考価格¥26000~35000円(24/3)
- 20年ごえのシングルモルトを手軽に飲みたい方
- 樽のニュアンスがどのように長期熟成で変わるか感じたい方
度数:40%
香り:フローラルで少しの酸味、紅茶、奥に赤いフルーティさ
味わい:濃厚だがライト、樽由来のウッディさ、渋み、酸味、甘さはほどほどでスパイシーさも
ストレートでゆっくりウィスキーの熟成や渋みを感じながら飲むとよい
ロックもよい、渋みが抑えられ甘みが増すので飲みやすくなる
まさにじっくり向き合いながら飲む1本!
タリバディン蒸留所について
参照:世界のウィスキー図鑑 デイブ・ブルーム:著
- 主なブレンド先:ウシュクベリザーブ、スコッツグレイ
- 年間生産量:300万ℓ
タリバディン蒸留所がオーキルヒルの北端にあるブラックフォードに建設されたことに、ほとんど不思議はない。
ここは豊富な水源があるからだ。
ミネラルウォーター「ハイランドスプリング」はここで採水され瓶詰され、1488年以来、ビールも作られている。
最初の蒸留所は1798年に建てられたが、現在の工場は戦後の好況に沸く1949年、やはりビール工場跡に建設された。
所有者ウィリアム・デルム・エヴァンスは蒸留所の建築家としても知られ、タリバディンの設計も行った。
蒸留所としては小規模で、1953年にプロディ・ヘプバーンに買収された際、改修され、元あったマッシュタンとウィッシュバックは十数キロ北にあるグレンタレット蒸留所に移設された。
その後ホワイト&マッカイ社に買収されたタリバディンは1994年に操業が休止され2003年になってようやく、実業家らの共同体が買い取った。
彼らは費用を相殺するためにん、古い熟成庫群を商業施設として貸し出した。
2011年タリバディンは再び売り出され、「ハイランドクイーン」や「ミュアヘッド」などのブランドを所有するフランスのワイン商ピカール社の傘下に入った。
「買い取られたとき、ピカール社は、自分たちは所有者でなく擁護者だと考えている、と言ってくれたんだ」
国際販売部門のマネージャーであるジェームズ・ロバートソンは振り返る。
「ピカールは長期的な視点を持っている」
商業施設は元の施設に戻すよう改修中で、蒸留所はフル操業中、設備投資も行われている。
飲み手にとってさらに重要なのは、製品群が合理化されてパッケージも一新され、再び発売されたことだ。
休止中の蒸留所を買い取る場合、在庫の欠点への対処法が問題となる。
タリバディンの場合、古い樽に入っていた在庫をブレンド用の新鮮な原酒としてよみがえらせる課題もあった。
ブレンデッドウィスキーの需要はシングルモルトよりもはるかに高いのだ。
過剰な熟成済み在庫は、当初、古い樽在庫問題を解決する一案だったが、古い製品群は品揃えが多すぎ、一貫性と蒸留所の特徴に欠けていた。
しかし、ありがたいことに全てが変わった。
前の所有者の元で始めた賢明な樽管理の手法がとうとう実を結んだのだ。
前の体制下、伝説的な蒸留家ジョン・ブラックによって、作りも工夫を加えられていた。
ウィスキー業界で経験を持っていたブラックはスコットランド最古の蒸留家だった。
残念なことに彼は2013年に他界したが、彼の遺産はいまも大切に守られている。
タリバディンは、ウィスキーが一朝一夕にできる酒ではないということを如実に示す事例だ。そして蒸留所の建て直しが、いかに時間がかかるか、ということも示している。
この蒸留所はしかし、確実に再建された。
まとめ
長期熟成の一つの形を知れて大満足。
いまのところ18年もののシングルトン・ダフタウンとグレンドロナックの18年、21年の思い出があるのですが、これまた味わいが全く異なり面白い。
今回は長く25年ということもあり、樽感がすごく強い。
ウッディさを知りたいならこの1本といえるでしょう。
個人的にめちゃくちゃ美味い、とはなりませんでしたが、試してみた満足感、経験は良い財産となりました!
ではでは今日も夜な夜な琥珀色、また!