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【赤屋根・アブサン2022】の感想!

satoimotaro

時代にかき消された禁断の酒!!

サトイモの感想:ハーブのくせがすごい!

好き度:6/10

コスパ:7/10 参考価格¥5000円

おススメする人

禁断の酒に手を出してみたい方

ジンや爽やか系のリキュールが好きな方

度数:50%

香りミント、薬草、スターアニス、漢方薬風

味わいストロング、グラッシー(植物)、よもぎ、ミント、ハッカ、薬膳漢方

satoimotaro

これは、好みが真っ二つになりそう!!

ボトル紹介

ニガヨモギ・スターアニスを中心に39のボタニカルを使ったアブサンです。

アルコールでハーブ・スパイス・果物・野菜などから香りやエキスをふんだんに抽出して、とても複雑味の溢れる仕上りになっております。

15世紀、錬金術師が蒸留の技術を使い薬を作っていたと言われています。

その薬の延長線上にアブサンはあると言われています。そして薬の語源「くすしき」には「不思議な」「神秘的な」という意味がございます。

アブサンは昔から多くの文化人、芸術家を魅了してきた神秘的なお酒です。

私たちはこの神秘的なお酒に敬意を払い、今回初めてアブサン造りに挑戦いたしました。

ニガヨモギも何度か失敗しながら、自分たちの蔵の畑で作っている完全無肥料・無農薬のものを使っております

瓶も、液体に紫外線からのストレスがかからないように、薬を入れる素材のものを使用しております。」

2018年に発売されたアブサン・クスシキについては公式ページで上記のように説明されていました。

それに、グローブフェンネル、カルダモン他などを使用したジン新たに蒸留してヴァッティングしたアブサン2022年のものになります。

アブサンの歴史について

アブサンの文化史 禁断の酒の二百年

バーナビー・コンラッド三世:著

浜本隆三:訳

プリヴァ=リブモン作 アブサン・ロボットのポスター 1896年作

この本にはドガ、マネ、ピカソ、ロートレック、ファン・ゴッホ、ゴーギャンと名だたる芸術家、名画の描き手がアブサンに魅せられアブサンに狂わされていったか、数々の逸話が収められている。

そして19世紀末に活躍した作家、ヴェルレーヌ、ランボー、オスカー・ワイルド、ヘミングウェイなどのダンディズム、デカダンスの文人たちとアブサンの関係も狂気じみている

舞台フランス・パリ、スイス、ロンドンなどだが、当時の人々がアブサンに対する過剰な反応を起こしていたことも興味深い

アブサンは、ニガヨモギやスターアニスが主なボタニカルだが、その他薬草系の様々なハーブなども加えられる

ニガヨモギ由来の「ツヨン(ツジョン)」という成分が、幻覚作用をもたらすとされ、魔性の酒といわれてきた。

しかし、その真偽のほども今でさえ明らかになっていない

古代のアブサンは、ワインや蒸留酒にニガヨモギの葉を浸しただけの酒だったらしい。

様々な効能のある霊薬として用いられていた。

ニガヨモギは学名をキク科ヨモギ属アブシンチウムといい、多年生の灌木類である。

19世紀末から隆盛を極めたアブサンだが、カフェなどに登場する飲み物になったのは、1792年にフランスの医者ピエール・オルディネールが考案したと伝えられている

彼は、フランス革命を逃れ、スイスの西にあるクヴェという小さな村に身を寄せた。

ヴァル・ド・トラベール地方の丘に原生していたアルテミシア・アブシンチウムという植物を発見した。

田舎に暮らす医者がするように、自分が服用するために調合していたが、その過程で、はるか昔に飲まれていたというアブサンを知り、試作にとりかかる。

レシピにはつぎのような薬草が含まれていた。

ニガヨモギ、アニス、ヒソップ、ハナハッカ、ショウブ、メリッサ、このほかコリアンダー、ヴェロニカ、カモミール、パセリ、ホウレンソウなど

万能薬だと町で評判になり、当初から「緑の妖精」の名で親しまれた。

そのレシピは「ペルノ」という人物にわたる。

その人物は、のちにアブサン製造で有名なペルノ・フィス社の創業者である。

1905年会社100周年には、1901年に起きた雷事故による自然災害の影響は除かれ再建されていた。

1906年、ポンタルリエの人口8776人のうち、500人ほどがペルノか、そのほかの蒸留所に勤めていたという。

ペルノ・フィスをはじめ、多くの商標登録されているアブサンの製造には、ニガヨモギを含めて6種類のハーブが用いられた。

味付け用の大振りな葉のニガヨモギ、緑色に着色するための小振りな葉のニガヨモギとヒソップ、まれに香水にもっ用いられるメリッサに似た植物のフェンネル

さらにアニスが味と香りづけのために加えられた。

甜菜から造られるアルコールを用いた粗悪なアブサンとは異なり、ペルノのアブサンにはワインを蒸留した「命の水/オー・ド・ヴィー」と呼ばれるブランデーの1種が使われた。

1914年に勃発した第一次世界大戦の狂乱時にこのアルコールは迫害の対象として、禁止されることとなる

それは、アブサンがもたらすアルコール摂取に関する過剰な反応も考えられるが、伝統的なワイン業者などによる、自分たちを脅かす蒸留酒に対しての自然な反応だったのかもしれない。

大戦中、ペルノ工場は陸軍病院として接収された。

原書は1988年の2016年翻訳発行だが、ヨーロッパ各地ではいまだに政府によるアブサン禁酒が徹底されている(スイスでの逸話が秀逸)。

まとめ

ミント!ハーブ!薬膳!

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正直まだ美味しいのかわからないけど、ジンのようで好きになる可能性がある…

正統なアブサンかもわからず、大好きな佐多宗次商店の赤屋根シリーズで不思議なものを見つけたので飲んでみたのでした。

この出会いで、アブサンの歴史に興味を惹かれ、上記の本を読み進めます。

狂乱の19世紀から20世紀のフランス界隈を垣間見れる秀逸な本でした。

アブサン、今まで聞いたことのないスピリッツでしたが、ジンに通じる製法と味わいにはヒットの予感を感じさせます。

コアなファンが世界中いいることを考えると、面白いスピリッツを作り続ける赤屋根が掘り出したのもうなづけます。

その他のアブサン、正統なやつをトライしていみようと思います!

では今日も夜な夜な琥珀色、また!

ABOUT ME
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コロナ禍で沼にはまる。蒸留所の歴史やボトルに込められた情熱に想いを馳せながら夜な夜な琥珀色を求めて旅を続けています。