2000年ごろからシングルモルトを売りだしたんだって。
サトイモの感想:優雅にゆったり飲みたい…
好き度:8/10
コスパ:6/10 参考価格¥7000円前後
度数:46%
香り:トロピカルフルーティ、パイナップル、グラッシー、華やかフローラル、黄金糖飴
味わい:驚くほどスムーズでクリア、ライトタイプ、しかし華やかでフローラルフルーティがしっかり、余韻はスパイシー
意外にも上品なのに南国気分~
今回の商品は今ネットで見かけませんね…
ヴィンテージシリーズ06のシングルカスクという希少品も↓
こちらは12年もの↓
バルブレア蒸留所について
参照:スコッチウィスキー・トレイル (2016)
:世界のウィスキー図鑑 デイブ・ブルーム:著
- 年間生産量:180万ℓ
- 主なブレンド先:インヴァ―ハウス、ハンキ―バニスター、ピンウィニーロイヤル
バルブレア蒸留所の小ぶりながらも堅固な建物には、永久に変わらないような雰囲気が漂い、それはウィスキー作りの哲学にも表れている。
グレンモ―レンジ蒸留所(20人のスタッフを雇用している)と同じように、バルブレアも現在の標準で考えると多くの人材を雇用している。
ときにはあちこち歩き回っても誰にも会わない蒸留所があるものだ。
「ここでは9人を雇っています」
副マネージャーを務めるグレアム・ボウイは言う。
「手作業でウィスキーを作るほうが好きなのです。機械化に移行した理由は理解できますが、蒸留所というのはコミュニティの中核ですよね。だから伝統的な方法が最良だと思うんです」
伝統という言葉はバルブレアにはふさわしい。
ここは昔ながらの愛らしい蒸留所で、出入口の低い部屋が寄せ集まり、エネルギーと熱が満ち、香りが詰まっている場所だ。
「現代的なビール工場のような蒸留所を運営しようと思えばできる」
バルブレアの親会社であるインバーハウス社のマスターブレンダー、スチュアート・ハーベイは言う。
「だけどそうするとあまりにも無味乾燥として、独自の特徴が失われてしまう。独自性こそが不可欠なのに」
木製のウォッシュバックもあるが、バルブレアのDNAが潜んでいるのはスチルだ。
ボウイはこう説明する。
「バルブレアでは自然と独特のスパイス感が加わる。マッシュタンには深い穀物層のベッドと明るい色のウォッシュができるので、花や柑橘類のようなエステルが生まれるように促すけど、深みと果実感も欲しいんだ」
ここでスチルの出番となる。
スチルハウスには、マッシュルームをさかさまにしたように首が短くずんぐりとしたスチルが3基あるが、現在は2基のみが使われる。
「ここにあるスチルで冷却器がついているのはこれだけだ」とハーベイは言う。
「しかしこのスチルは複雑でフルボディのスピリッツを生んでくれる。蒸留中に酵母細胞を爆発させることによって果実感が生まれる。これはブルゴーニュワインで行うバトナージュ(熟成中のワインを棒でかきまわす作業)と同じだ。そしてこの短くて太いスチルが果実味をつかまえる。樽詰めしたときに樽に反応してバタースコッチやトフィーの風味が生まれるように、ミ―ティで硫黄分の強いスピリッツを作りたいんだ」
このようなヘビーなニューメイクが樽に反応するまでには時間がかかる。
バルブレアもグレンモ―レンジも”フルーティ”と形容できるが、違うタイプのフルーツだ。
グレンモ―レンジはライトで、樽成分の波に乗って熟成されるが、バルブレアはより濃厚でコクがあり、熟成に時間がかかる。
バルブレアはモルトウィスキーとして第一線に立つまで辛抱強かった。これもブレンダーたちにフェンスで守られて、なかなか世に出られなかったスピリッツである。
デザインを変更して(現在のボトルはピクストーンの模様入りで年数表記ではなく製造年表記)販売されたときは、モルトの飲み手にとって天啓だった。
果実味とトフィーの風味はずっと続くが、熟成するにつれてエキゾチックかつ、つんとくるようなスパイス感が踊りでてくるのだ。
いかにも晩熟タイプらしく、口の中でもゆっくりふるまい、実に異色のスタイルである。
「北部のモルトには、このような独自性がある」とハーベイは語る。
「スペイサイド産ウィスキーよりも、さらに個性がはっきりしていて、ちょっと複雑だ」
地元で生まれ、ウィスキーを愛する著述家ニール・ガンも同様の意見を述べている。
彼はオールドプルトニーを「北の気質に由来する強固な特徴が感じられる」と評価している。
きっとこの北部沿岸のあらゆるウィスキーに当てはまる言葉だろう。
まとめ
今回出合ったのは、今売っているのとは違うヴィンテージシリーズというものでした。
ボトルデザインがオシャレでかわいいですね。
最近、こういう系の味の方向性が飲む前からなんとなくわかってきました。
先月飲んだウルフバーンもそうだったけど、ピートがすごくきいてるわけでもなく、フルーティさとフローラルがおしだされる、とにかくテロワール。
その土地の環境、水、素材にこだわる、いわゆるワイン造りでよく使われる用語ですが、ブルックラディ蒸留所などがテロワールにこだわりはじめて、純粋によいウィスキー造りをしようという職人気質。
ライト~ミディアムボディでいて、しっかりモルト感もあり、少しのピートを感じ、いまのところトロピカルなフルーティ感が多い気がします(サトイモの個人経験と主観)。
今回はヴィンテージものだったので、逆に現行のものが気になってきましたね…
では今日も夜な夜な琥珀色、また!