アイラの巨人って言われているけど、どんな方?
サトイモの感想:ワイルドなんだけど優しい方!
好き度:10/10
試してみる価値度:8/10 参考価格¥10000円前後
アルコール度数:43%
- ボウモアが好きでさらに熟成したものを狙っている方
- スモーキ―、フルーティ、スウィートの繊細なバランスを味わいたい方
香り:柔らかい熟した赤い果実をまとったピート香、硫黄ヨードは控えめ、海藻
味わい:スウィート、スモーキ―とハチミツとフルーティさがバランスよくまとまり、まろやかな酒質がしつこさや飲み疲れをおこさないアイラの中でも稀有な味わい、ヨード臭やブリニー(潮気)は下支えをしている感、余韻スッキリ
少しの加水でよりまろやかに、これは加水ストレート一択、余韻に炭が足された印象
めちゃめちゃ美味い!!
ラガブーリン蒸留所について
参照:世界のウィスキー図鑑 デイブ・ブルーム:著
スコッチウィスキートレイル 高橋矩彦/編者
- 主なブレンド先: ホワイトホース
- 年間生産量:245万ℓ
キルダルトンの海岸は岩だらけの小さな湾がいくつも入くんでおり、岩が層の薄い大地に割り込んでいる。
いかにも隠れ場所らしく長年閉ざされてきた土地だ。
ここからはウィスキー作りの揺籃の地を見渡せる。
向かい側にはキンタイア半島が横わたり、水平線上のアントリムの青い丘陵が見える。
ラガブーリン湾を守るようにたたずむダニーヴァイグ城の廃墟は、1300年、この地に嫁いだアイネ・オカハンの船団がたどりついた場所だ。
アードベッグ蒸留所が湾沿いに寝そべっているとすれば、ラガブーリン蒸留所はさながらその場に押し込められているかのようだ。
建物群はやむを得ず上方へと伸び、現在が過去を圧倒し、真っ白に塗られた壁が、廃墟の黒々とした土台と丘の沈黙の鐘を見下ろしている。
その姿は、領主の時代は去ったとでも言っているようだ。
いまはウィスキーの時代なのだと。
この地でかつて、ラガブーリン農場に1816年から翌年にかけて、ふたつの合法的な蒸留所が建てられたが、当時の風景な壮観とは言い難いものだったろう。
ラガブーリン湾はこの島のウィスキー作りの中心地とされ、10か所の小規模な(違法の)蒸留所が操業していた。
アイラ島の収税官と地主による取り締まりが始まる前のことだ。
1835年にはひとつの蒸留所だけが残り、19世紀の終盤にはアイラ最大の蒸留所へと成長した。
社屋に入ると、丘の湖から引いた水が水路(スコットランド方言でlade)を流れ、マッシュハウスへと流れ込んでいく。
ビクトリア朝後期に建てられたからのような社屋は、実はモルトの倉庫をビクトリア様式に改修したものだ。
深呼吸をしてみよう。
再びスモークの香りがするはずだ。
以前、本土から初めて来たマネージャーが、火事とまちがえて火災警報を鳴らしたという。
しかしその香りはアードベッグとは異なるようだ。
とはいえ、ラガブーリン湾沿いの蒸留所のモルトは全て、ポートエレン製麦工場でピート燻煙を焚きしめられ、スモーク香の強いランクに区別される。
スモーク香を追っていくと、不快な二酸化炭素にあふれたタンルームにだどりつく。
マッシュタンから出る、熱いウィータビックスのような香りをやり過ごすと、屋根のついた短い通路が続く。
スモークが激しく吹き出しているようだが、途中で香りが変わる。
スモーキーではあるが、あふれるような甘さが感じられ、不思議でエキゾチックな刺激をともなっている。
ニューメイクを手にすくって飲んでみるといい。
アードベッグがすすのようなら、ラガブーリンは海辺での焚火を思わせるが、強烈な甘さが中核にある。
となると、違いを生むのは明らかにスチルということだ。
ウォッシュスチルは巨大だが、鋭く曲がったラインアームが、襲いかかるように冷却器へとつながっている(このスチルはディアジオ社の由緒あるクラシックシックスの蒸留所中で唯一、ワームタブがない)。
ヘビーな特徴が生まれるのだろうか。
スピリットスチルは非常に小さく、ベース部分は太くて普通のスチル形状をしたスチルで、火力を弱めにして還流を最大限に起こし、風味を磨き上げて余分なものを取り除き、スモーク感を保ちつつも硫黄分を除去するのである。
これはさながら外科手術のようで、ヘビーさが解剖されると、核となる甘さがゆっくり表れる。
バランスよく熟成したスモーキーなウィスキーであれば、どんなものでもこうした甘さが中核にあるはずだ。
シングルモルトになるべく、リフィル樽で熟成される工程を監督するのはイアン・マッカーサー。
小規模農家かつ熟成庫係を務め、機知にとんだ人物である。
彼は選び抜いたいくつかの樽からサンプルを抜き取りながら、威勢のいい若さが樽によってゆっくりとなだめられ、新たな複雑さを帯びていく様を見せてくれた。
飲むと、ラガブーリンを覆っていたいくつもの層がはがれ、見晴らしののいい桟橋へと誘われる。
廃城を通りすぎる、アイネと船の一団が思い起こされ、ウィスキーの揺籃の時代へと導かれていく。
まとめ
スモーキーウィスキーが好きな友人が一番好きなラガブーリン。
そんな前情報もあって、とても楽しみにしていた一本…
私もアイラの中で一番好きだぁ!!となりました。
力強いけど、柔らかく繊細であり、甘くフルーティ。
このバランスがすごく洗練されていて、非常にクオリティが高い!
16年という熟成期間が良いのでしょうか?
はたまた酒質自体が高品質で、8年ものも同じように美味しんだろか…
逆に若い8年が気になってきました。
正直、アイラはもうボウモアで決まり!って思っていたので、それを超える好きな銘柄に会えて感動でした。
体感、スコッチの銘柄蒸留所ごとでいくと3分の2(今は120くらい蒸留所があるのかな?)は飲んだ気はしますが、いやぁ、まだまだ足りないですねぇ。
旅は続きます…
ではでは今日も夜な夜な琥珀色、また!