スコッチのロールスロイスと言われてるけど、どう?
サトイモの感想:確かにリッチでフルーティ優雅~
好き度:9/10
飲む価値度:7/10 参考価格¥11000円前後
- ある程度、シングルモルトを飲んできてスペイサイド系フルーティが好きだなぁという自覚と誇りを持っている方
- スコッチのロールスロイス(高級車の代名詞)といわれる所以を知りたい方
- スペイサイド系12年の最高峰(と思われてる?)を味わいたい方
香り:強く香る、リッチで華やか、甘く芳醇なレーズン、上品なハチミツ
味わい:すっきりスムーズ、上品で繊細、フレッシュなフルーツ感、爽やかなシトラス、濃厚なハチミツの甘さ、若干のウッディさ
気品漂う~香りもいいし、うっとりする~
・トリプルカスクとは…
使用している三種類の樽のこと
内訳はヨーロピアンオークのシェリー樽、アメリカンオークのシェリー樽、アメリカンオークのバーボン樽
マッカラン蒸留所について
参照:スコッチウィスキー・トレイル (2016)
:世界のウィスキー図鑑 デイブ・ブルーム:著
- 年間生産量:980万ℓ
- 主なブレンド先:フェイマスグラウス、カティサーク、J&B、シーバスリーガル、バランタイン
シングルモルトが商業化されてまもないこと、同じように樽熟成された高評価の他のスピリッツと比較するのが通例となった。
「これはコニャックに負けないほど優れている」商人たちはこういったものだ。
マッカランの場合、「プルミエクリュ」とも付け加えていた。
ぴったりの表現だ。
マッカランの本社であるイースターエルキーハウスは白い漆喰塗の立派な建物で、まるで敷地全体に、フランスのワイン醸造所のような洗練された雰囲気が漂っている。
マッカランの手法は、地域にもっと古くからある蒸留所群と直接結びついているし、設立の古い蒸留所(蒸留所の設立は1824年)では非常にヘビーなウィスキーを作る傾向があるという理論にも真実味を加える。
しかしこの蒸留所のウィスキーの売り方はつねに、業界の通例からやや外れている。
とはいえさほど気に留めていないようだ。
古い方式とのつながりが最もはっきり表れているのはスチルハウス(2008年に2棟目が操業再開したため本書の執筆次点では2棟ある)だ。
そこで小さなスピリッツスチルが二―ベルゲンのこびとのように冷却装置の上にうずくまっている。
この蒸留所では還流など論外であり、どっしりとしたスピリッツ作りを重視している。
ここでは天才的発想にあふれた革新的な見学ツアーが行われ、ニューメイクを試飲できる。
そのニューメイクはオイリーでモルティ、かつ深みがあり、何よりも甘い。
いわば頑固者で、生まれたその日から明白な特徴があり、あれこれと振り回されるようなスピリッツではない。
マッカランが常にシェリー樽と強固な同盟を組んできたことを考えると、こうした明確な特徴を重視する姿勢は不可欠だ。
それはシェリーとの共生関係であり、蒸留所を所有するエドリントン社では、スペインのヘレスにあるテバサ樽製造所に厳しく注文をつけて、専用の樽を作せている。
従来からタンニンが強くクローブとドライフルーツの香りのあるヨーロピアンオークと、バニラとココナッツの香るアメリカンオークが組み合わせれて使われている。
こうしてウィスキー製造責任者のボブ・ダルガーノの元に、まったく異なる風味を持つ2つのメインフレーバー、およびその2種から派生した様々なフレーバーが提供される。
シェリー樽内では、ニューメイクのオイリーな成分が、オークからフレーバーが浸みだすのを促すと同時に、荒々しいタンニンのバリヤーとなり、フェレットやウサギのような味がスピリッツにしみこんでしまうのを防ぐ。
そのためオールドマッカランはなめらかで、ざらつき感がない。
いっぽうアメリカンオーク(バーボン樽にも若干みられる)は、穀物らしさとソフトフルーツの風味を出す。
前作を執筆するためにダルガーノを取材したとき、彼は色合いの異なる幅広いウィスキー群からシェリー樽の12年物をブレンドする計画をたてているところだった。
色合いとフレーバー領域の相互関係に対する彼の深い理解は、マッカランの最新作、4種類の「1824シリーズ」となって結実した。
「1824シリーズ」は在庫のひっ迫という、大半のウィスキー製造者が直面する課題に対する彼なりの答えだった。
21世紀初頭に突然おこったウィスキーブームは蒸留所の不意をつくものだった。
1980年代のウィスキーの余剰が原因で蒸留所は閉鎖され、業界全体が数世代にわたって生産量を抑えていた。
当然ながらブームが起こったときには熟成した在庫が不足した。
その解決策は、年数表記のないウィスキー(NAS)だった。
これにより、作り手は年数表記のしがらみから解放され、フレーバーと蒸留所の個性を自由に探究できる。
ダルガーノの策は、色がどの程度、ウィスキーの特徴の指標として判断材料に使えるかに目を向けることだった。
皮肉なのは、(会社の会計士も皮肉に感じただろう)、新シリーズの製造が、それまでのウィスキーよっりも高くつくことだ。
これからはもう在庫不足は起こらないだろう。
飛行機の格納庫並みの熟成庫がいくつも建てられたし、新たに広大な蒸留所も建設中だからだ。
こうしている間にマッカランの評判は世界に広がっていく。
多くの人にとって高級なウィスキーの代表格であり、人によっては伝統的なシングルモルトにモダンなひねりを効かせたスタイルの発露といえるウィスキーである。
まとめ
うんまぁあ!
久しぶりに飲んだら、うんまぁ!!
香り上品、スペイサイドの優雅さを体現した逸品!
高騰するウィスキーですが、これは飲み進めていく上で飲む価値ありです。
実は、シングルモルト飲み始めの数本目くらいで、このトリプルカスク飲んだことがあるのですが、その時は、へぇこれがロールスロイス?ちとおおげさだねぇ、わからんなぁ、と思ってしまいました。
実際、そのころはフルーティか煙か、それらがないブレンデッド系かしかわからなかったので、この気品に気づけませんでした。
今飲んでみると、恐るべし…
美味い…
世界中のバーで飲み継がれているのは伊達じゃない、と感じました。
これからもちびちび飲んでいきます…
ではでは今日も夜な夜な琥珀色、また!