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【ウィスキペディア29、30話】の2分まとめ 嘉之助蒸留所

嘉之助蒸留所について

新進気鋭のクラフト蒸留所が乱立する昨今、鹿児島にもウィスキーづくりが始まっていました。

ウィスキペディア29、30話では、嘉之助蒸留所について特集されています。

3基の蒸留器を使い焼酎で培った技術で、鹿児島日置市にて2017年稼働を始めた蒸留所。

日本一美しい蒸留所ともいわれ、日本三大砂丘の吹上浜が南北47kmと続くシラス台地特有の白い砂浜を目の前にしたスタイリッシュな蒸留所です。

47km続く日本一長い砂丘
シラス台地特有の白い砂浜
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焼酎大国の九州、鹿児島で面白い蒸留所が紹介されます。

内容をざっくりとまとめ、補足情報も入れました。

もともと、小正醸造として1883年創業で、主に焼酎を製造、販売する会社です。

樽熟成米焼酎メローコヅル1957年に発売。

焼酎業界で初めて焼酎をオーク樽に6年間貯蔵してウィスキーのような熟成を加えました。

瓶で1-3ヶ月熟成ですぐ出荷が一般的な焼酎に対して、手間もコストもかかる方法をいち早く取り入れていました。

焼酎の世界展開を目指していましたが、わかりにくさ、アルコ―ル度数の半端さ、食中酒で蒸留酒を飲まない文化の壁などにぶつかり、”世界共通言語”のウィスキーに舵をきりました。

蒸留所所長の中村俊一氏がウィスキーづくりについての説明をしています。

  • ノンピート大麦麦芽

85%はノンピート、15%はピートの麦芽とノンピートが多め。それは、ノンピートで嘉之助の原酒のよさをまず作りたいという思いがあります。

  • ステンレスの発酵槽

発酵槽にステンレス製を使うのには理由があるようです。

本当は木製にしたいが、暖かい風土のゆえに雑菌汚染の危険性、発酵不良を避けるためだそうです。

  • 3基の蒸留器

通常小規模なクラフト蒸留所は2基を建設し、蒸留、再留を行います。

3基の蒸留器はクラフトにしては珍しい。

しかし、3基ごとの蒸留器に個性があるため、多彩な原酒が生まれるといいます。

例えば、

第1、第2、第3基全てを使た3回蒸留(アイリッシュ、ローランドスタイル)

第1,第2基の2回蒸留

第1、第3基の2回蒸留

第2,第3基の2回蒸留

特に、アイリッシュなどと同じ3回蒸留は、原酒そのものに軽快ながらフルーティさが際立ち、ニューメイク(樽で熟成するまえの原酒)でも美味しく飲めるそうです。

メローコヅルで使用した樽にミディアムチャー(樽の内側を直火で焼き直したたる、樽材の成分が分解されウイスキーの中に溶け込む)を加え、そのリチャーカスクを用いて熟成されます。

熟成されたウィスキーは甘く、オリエンタルな香味を生み出すようです。

メローコヅルを生み出した、二代目小正嘉之助は、

  • 焼酎づくりの魂、を

現在の四代目 小正芳嗣氏は、

  • ウィスキーづくりにかける情熱、を

あわせて産声を上げたのが、2021 嘉之介ファーストエディション!

モルティでしっとりとしてた甘さ、それでいてボディ感のあるリッチな味わいが特徴
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シンプルなデザインでオシャレですねぇ。今はなかなか手に入らないけど、美味しんだろうなぁ、いつか飲んでみたいねぇ

もう一つのプロジェクトも紹介されます。

  • グレーンの製造について

目標は、オール嘉之助産のブレンデッドウィスキーを製造すること

単式蒸留器で、夏場は焼酎、冬場はグレーンウィスキーを減圧蒸留(沸点が低い温度で蒸留)して、雑味成分の流出を防ぐことにより、酒質はより軽やかクリーミーにしあげることができるそうです。

稼働から5年がたち、小正芳嗣氏はこう語ります。

”我々はまだまだ新参者、先人たちの知恵をお借りしながらひたむきにウイスキー作りを進めていかなければならない”

また、情熱を抱いて日々挑戦しつづける若いスタッフも紹介されていました。

以下は小正醸造が地元に根付いた良質な酒蔵であるこということがわかる、ウィキペディアよりの補足情報。

”際立った特色としては、生産農家との密接な関係が知られている。いくつかの商品のラベルには生産農家の名前が自署にて印刷されている。また平成13年度農林水産祭で天皇賞を受賞した東馬場伸氏の生産する高品質な甘藷を一手に引き受け、「蔵の師魂」「眞酒」等の焼酎を製造、その品質は焼酎マニアにも玄人受けしている。”

ウィキペディアより

情熱と、誠実な酒造りが高く評価されています。

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歴史もあり、ウィスキーづくりも新たな挑戦を続ける、とても楽しみな蒸留所だね!

  • ディアジオとのパートナーシップ

ウィスキペディアでは、2021年9月に大手ディアジオと長期的なパートナーシップを結ぶことも紹介されていました。

つまり資金のバックアップですね。

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あのディアジオとパートナーシップ!これは、非常に興味深いウィスキーニュースです!

蒸留所の歴史を考えると、大手のディアジオが後ろ盾にいることはとてつもなく心強いのです。

この辺の蒸留所事情については、また記事にしたいと思います。

フランク・ランペン氏(ディスティル・ベンチャーズ社CEO 2013年設立)がディアジオ社に小正嘉之助蒸留所との提携を進言し実現したようです。

このディスティル・ベンチャーズ社は世界各国のウィスキー蒸留所に鋭い関心を向けて、クラフト蒸留所へ大手ディアジオからの投資を主導しています。

ランペン氏による現在のおすすめウィスキーは

デンマークのSTAUNING(スタウニング)

9人のウィスキー友達が生み出す蒸留所のライ麦のウィスキーで、

氏いわく、このライ麦ウィスキーと日本の梅酒のカクテルが逸品のようです。(ここもディスティル社がディアジオ社と引き合わせたクラフト蒸留所です)

  • 蒸留所見学について

スペイサイドのバリンダルロッホ蒸留所を参考にしたそうです。

お客様受け入れ、コンパクトで回りやすい見学ツアーの動線、迎え入れてくれる心地良さを感じた蒸留所をお手本にして心地よい空間がデザインされています。

見学案内ツアーについてはこちら↓

嘉之助蒸留所見学

まとめ

深い歴史と新しい挑戦。

とても興味深い内容でした。

現在多くのクラフト蒸留所が建設されていますが、一つ一つの蒸留所に歴史と良いものを生み出そうとするスタッフの熱い情熱を感じますね。

いずれ蒸留所見学に行きたいと思います!

今日も夜な夜な琥珀色、ではまた!

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コロナ禍で沼にはまる。蒸留所の歴史やボトルに込められた情熱に想いを馳せながら夜な夜な琥珀色を求めて旅を続けています。