スペイサイドの隠れた銘品と謳われる1本、楽しみ~
サトイモの感想:はい、めちゃめちゃ好き!!
好き度:10/10
試してみる価値度:10/10 参考価格¥6000円前後
- 生きる伝説栗林幸吉おススメの基準ボトルを試してみたい方
- 酒質ヘビーでありながら飲みやすいものをお求めの方
- フルーティ、モルティ、若干のスモーキーなどバランスを求める方
度数:46%
香り:上品な果実の蜜、リンゴジャム、あっさり生クリームのショートケーキ、麦感の甘味もしっかり、奥にうっすらスモーキーフレーバー
味わい:おぉ重厚、しっかりモルティな味わいのベースがあり、スパイシーさ、スウィート、フルーティ、スモーキ―さが口いっぱいに混然一体となり広がる、硫黄とピートの薫香もしっかり感じられる、これだけ複層的な味わいなのに余韻はスッキリ、バランス系では最強クラス
加水、華やかなフルーティさ、甘みが開き、スモーキ―さもしっかり感じられる!
ハイボール伸びない…薄まる感でもったいない感マシマシ
うっまっぁぁぁぁぁい!!
クライゲラキ蒸留所について
参照:世界のウィスキー図鑑 デイブ・ブルーム:著
- 主なブレンド先:デュワーズ・ホワイトラベル
- 年間生産量:400万ℓ
古さと新しさ、そしてライトとヘビーのせめぎあいを解決する要素が、スペイサイド最後の目的にしてこの地域最大の蒸留所にある。
クライゲラキ蒸留所には両方の側面があるのだ。
ビクトリア朝時代の終盤に生まれ、鉄道の恩恵を受けた蒸留所だが、古い伝統時なウィスキー製法をも維持している。
1890年代にはブレンダーと仲買人が共同で設立した蒸留所が多い。
その一つであるクライゲラキがここに建てられたのは、純粋に便利な輸送手段のためだ。
ウィスキー輸送に鉄道が使われた当時、クライゲラキには2本の線路をつなぐ大きな連絡駅があり、1863年にはダフタウン、キース、エルギン、そしてロセスまで、ストラススペイ鉄道によってつながっていた。
この地からウィスキーを運び出した鉄道は、その原料と訪問者たちをこの地に運んできた。
1893年、クライゲラキ・ホテルが鉄道ホテルとして偉容を現した。
設立当初からクライゲラキに出資した1人であるピーター・マッキー卿は、ホワイトホース社の所有者だったばかりか、ラガブーリンの主でもあった。
そして1915年にクライゲラキの全てを手に入れた人物も、彼である。
以来、蒸留所は拡張を続けてきたが、クライゲラキの独自性の源は、古い時代の特色を保っている点にある。
ニューメイクの香りをかぐと、これまでのスペイサイドの旅でずっと一緒だった、あの硫黄のにおいがする。
しかし、他で感じられたミ―ティなにおいはなく、変わりにあるのはワックスを塗ったフルーツとでもいえるような香りが、まず鼻で感じられ、やがて口内を覆ってくる。
あらゆる要素が、これが重みのあるウィスキーであることを示しているが、ひとつだけ別の側面が隠れている。
内気というより、むしろ狡猾な印象だ。
現在の蒸留所を所有するジョン・デュワー&サンズ社で副マスターブレンダーを務めるキース・ゲデスは「製麦の段階で硫黄成分を加えます」と説明してくれた。
次にクライゲラキの大きなスチル(還流が盛んにおこる)でスピリッツを蒸留させる。
スチルには、「ほんのひとしずく」と呼ばれる長いパイプがついており、蒸気をワームタブへと送る。
「銅には硫黄分を除去する効果がありますが、クライゲラキのワームタブの銅はあまり効果がありません。そのためニューメイクはいつも硫黄分が多くなり、これがクライゲラキの特徴となります。他の蒸留所では全てシェル&チューブ方式冷却器を使っているため、この特徴を再現できません」とゲデスは語る。
硫黄分の強いスピリッツを生む蒸留所に関しては、つねづねその奥底に何があるのかという疑問が浮かぶ。
「やろうと思えばもっともっと硫黄分を強めて、ミ―ティなスピリッツにすることも可能ですが、バランスを考慮しています」とゲデスは答えた。
ダルユーインやベンリネスで作られる、ブラウングレイビーソースのような深みはここにはない。
クライゲラキは熟成するにつれて、異国のフルーツを思わせるワクシーな舌触りの世界に入っていく。
それまでになかった口当たりが加わって、古いボトルには非常に軽いスモーク感がもたらされる。
変わった表現だが、それは蒸留工程を逆行して、ゆですぎたキャベツのような悪臭のするワームタブから甘いウォッシュバックに戻るようなものだ。
こうした重さと果実味、そしてヘビーで香り高い特徴。
このような多面的な複雑さは、ブレンダ―に与えられた天の恵みだ。
並みいる蒸留所群の中でクライゲラキが生き残ってこられた理由の一端はここにある。
この蒸留所の複雑な個性は、(驚くにあたらないが)ホワイトホースにとって重要な要素だったし、いまも他のブレンダーたちに幅広く使われている。
そして現在、この比類なき個性を持ち、ストラススペイのヤヌスともいうべき矛盾と特異性に満ちたモルトウィスキーが舞台の中央を占めようとしている。
ジョン・デュワー&サンズ社が、満を持してシングルモルト市場に参入したためだ。
クライゲラキはベンリネスの蒸留所群を離れる前に訪れる場所として申し分ない。
この地の蒸留所群を見れば、スコッチの歴史を全て知ることができる。
スピリッツというものは、大規模化と現代化、かつライトなスタイルへと容赦なく変容の道をたどってきたものだと思われがちだ。
しかしスコットランド全土にわたって、過去が今も息づき、古い手法が守られていること、そしてこの土地との物理的かつ精神的な結びつきが、数々のウィスキーたちに結実していることを、ベンリネスの蒸留所群は示している。
土地の個性こそが、ウィスキーの特徴をうむうえで何よりも重要な要素なのだ。
まとめ
酒質の強さとフルーティさが完璧なバランスで混じりあう至高の一本。
栗林幸吉さんもおススメの基準の1本としてあげていますが、いままで何でこれを飲んでこなかったと後悔するくらい、美味いボトル。
いまのところスペイサイドで一番好きかも…
ただ、このボトルも今出回ってるので終了との話を酒屋の主人から聞きました。
調べると、2022年の時点で終売となっているようですね。
サトイモ、遊びに行った熊本でたまたま見つけました(定価で)。
良き出会いに感謝です。倉庫から出してくれたご主人ありがとうございました!
これからも探します、旅に出つづけるのです。
ではでは今日も夜な夜な琥珀色、また!