ウィスキー関連の本

【ウイスキー案内  栗林幸吉】の本、紹介

おススメする人ウィスキー上級者

        ウィスキー中級者

それぞれに読み方があります。

ウィスキー案内の紹介

日本有数のウィスキーを誇る「目白 田中屋」の店長。知る人ぞ知る、ウィスキーの生き字引、栗林幸吉

satoimotaro

数年前にクレイージージャーニーでアイラを訪れる姿もウィスキーファンの間で話題になりましたね。

そのウィスキーを愛し、ウィスキーに愛された男による2016年8月初版の一冊が”ウィスキー案内”。

副題が”狂おしいほどの1本に出合う”、とても興味をそそる題です。

ウィスキー案内の内容

長年の経験、知見ゆえの文言に説得力があります。

”ウィスキーの最大の魅力は、時間を飲むことにある”

P13

ウィスキーは蒸留、樽詰め、熟成が必要です。数年~数十年、どんなにお金をかけても、この期間を縮めて味を再現することができません

飲めば造られた当時の空気感、経過した時間を感じることができる、そこにウィスキーの深みがある、というのです。

satoimotaro

1本1本に、歴史を感じながら飲むと、よりおいしく感じるね

  • 基準の1本

好みの味を探す基準の1本に現行品のライゲラキ13年”を勧めています。

理由は、この1本を飲んで

もっと軽いほうがいいな、であれば→ブレンデッドウィスキー

もっとクセがほしいな、であれば→ラガブーリン16年

なのだそう。

  • 味の理解について

余韻香りの順番で把握できるようになるといい、といいます。

1.余韻

飲み込んだ後に残る余韻が一番はじめに感じとることができる感覚だといいます。

また余韻の長さは品質に比例します。麦っぽい?カカオっぽい?などをさぐってみましょう。

2.香り

飲む前に、グラスから離れて、回しながら傾けて、鼻をグラスにつけて、いろんな形で香ってみましょう。

3.味

スモーキー?フルーティ?香りと同じですが、独特の甘み、苦み、アルコール感などを感じ取れるようになります。

  • オールドボトルにファンが多いのはなぜか?

60年代のウィスキーにファンが多いのはなぜか、解説してくれています。

端的に言うと、

“手間ひまかけて造られたものは時代を超えてうまい”

P24

技術の進歩とともにウィスキー作りの環境は大きく変化してきました。

近年では麦の性質、品質改良によって、より効率よくウィスキーが作れる品種が次々とを出されてきています。

少し発酵期間が長いほうが様々な菌の活動が活発になるので、生み出される成分のバラエティーも豊かになり、必要最低限の発酵期間で作られたウイスキーよりも、時間をかけて発酵させたものの方が複雑で奥行きのある味わいになるのです。

設備の近代化も時代の味を左右します。

糖化や発酵のためのもの、昔は木製がほとんどでしたが、今は温度管理が簡単、衛生的なステンレス製。かつては添加する酵母以外にも木製の設備に棲みついた自然界の菌がもろみの中で活動していたといいます。

また、手作業で大麦をかき混ぜ発芽を促すフロアモルティングの減少も影響しているのではないかといいます。

”技術が発展して安定的なウィスキー作りができるようになったので全体としての平均値は高くなっているが、100点を取るものは生まれにくい。逆にかつては平均としてのレベルは低かったけども、100点、120点のものがあった”

P26

satoimotaro

オールドボトルには、夢と旨味が詰まってるね!

中級者向けの内容

satoimotaro

特筆すべき点は今飲んでおきたい現行品が数多く紹介されていることだね。楽しみ!サトイモが飲んだボトルのレビューもリンクあり。

一挙に紹介します。

ピートをこの1本で表現できるといっても決して過言ではない、ずっしりとした重厚感。ウイスキー愛好家からアイラモルトの最強の1本と言う声も高い。

  • オルトモア12年

ブランディッドウィスキーの原酒として重宝され、ブレンダーたちの間では優れた佳酒として名高いが、シングルモルトが世に出ることがまでだったため、華やかな風味に反して地味な存在。

  • ブナハーブンモーニャ7年エイコーン

アイラモルトのすべての特徴と要素を兼ね備えた1本。

  • コンパスボックスThe Lostブレンド

  • クライゲラキ13年

本書の、基本の1本としてもおススメされていたクライゲラキ。ホワイトホースを世界的なブランドに育てあげた重要原酒。ハニー&オークの香味にスウィート &ドライの展開が良い。

  • ディンプル

  • エドラダワー15年フェアリーフラック

  • エレメンツ・オブ・アイラ LG 2

入手困難かつ超高価格化している昔のマッカラン25年を愛した人々が、その後継品として愛飲している。ゴールデンプロミス種の麦、ノンピート仕込み、一貫して変わらぬ個性で勝負している。

  • グレンロセス2004 11年 キングスバリー

  • ブナハーブン12年

アイラ島で唯一おとなしいウイスキーと言われている蒸留所。かすかなピートや潮の風味、オイリーさも感じられ余韻はとても穏やか。

  • ジャック・ダニエル シナトラセレクト

  • アイラミスト8年

アイラが高額化する中、手ごろな値段で薬品系フレーバーを飲みたい人にオススメ。8割をラフロイグが占める贅沢な比率

  • ジョニーウォーカー・スウィング

豪華客船が大西洋を行き交っていた1920年代に誕生した。船の揺れに合わせて前後にスウィングする設計になっている。時代背景が生んだ画期的なボトルデザイン。ローランドモルトをベースに飲みやすいテイスト。

  • カバラン・シェリーオーク

台湾の老舗飲料メーカー・キングカーが2008年に創業、人やモノに糸目をつけず伝統と科学技術の枠を結集した名品。瞬く間に数々のコンペティションで賞を獲得した。本品は濃縮感のあるプルーンや亜熱帯果実甘い味わいのシェリーが濃厚かつなめらかに口の中を覆う。

2005年にアイラに誕生した新しい蒸留所のサードリリース。味わいはりんご、マスカットのようなフルーティーな甘味に、スモーキーさを感じることができる。

  • キルホーマン・シェリーカスク

  • ストラスアイラ12年

スペイサイド最古を誇る風光明媚な環境にある蒸留所。カシューナッツを思わせる、ナッティな風味とオイリーさをもち、口に含んだときのボリューム感が印象的。樽熟成由来のバニラ感もあって飲み心地も良い。

  • キングス カウンティー

  • ノブクリーク9年シングルバレルリザーブ

ジムビーム社が92年にリリースしたスモールバッチバーボンシリーズ最長熟成。通常品よりも力強くリッチなキャラメル風味で、マイルドさをあわせ持つ。

  • コーヴァル ミレット

  • ロングモーン16

2013年SWSCでで最高賞のモルトウィスキー。ハニー&バニラ、スウィート・スパイシーな味わい。グレンフィディック、バルヴェニー、同グループの隠し玉であるキニンヴィーの合作。

  • オクトモア アイラバーレイ

世界ナンバーワンのヘビーピーテッドブランド。258ppmの史上最強ピーテッドシングルモルト。少し水を加えると燻香の奥に花やハーブ、プラムなどの繊細な風味を感じさせる。そして最後はやっぱり強烈な煙の余韻。

海藻を思わせるその風味には、日本人になじみやすい出汁由来の旨味の要素が感じられる。シェリー樽由来の甘味に、やさしいピートスモーキーフレーバーでバランスが絶妙にマッチングしている。チョコレートのようなコクも感じられる。

  • ポートアスケイグ12年

  • レッドブレスト 12年

  • スプリングバンク16年 ローカルバーレイ

強烈なピート香、オイリーさが特徴で余韻の最後までドライな味わい。甘みが強いウィスキーに飽きたらぜひ。

  • ティーリング21年 

シングルモルトの世界で貴重なシェリー樽風味を手軽に飲める良心的な12年。オロロソとペドロ・ヒメネスの2種類を使ったシェリー樽100%の熟成品。スウィートトフィーやベリーの香り、やわらかいシェリー、チョコレートの味わいと心地よいレーズン感はモルト初心者にお勧め

  • グレンドロナック20一年パーラメント

  • ウッドフォードリザーブ

  • 山崎リミテッドエディション
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気になるウィスキーが多すぎて狂おしいよ!

まとめ

この本は、初めに初心者の疑問に答え、2章で急に、レアボトルをこれでもかってくらい紹介されます

ここで、初心者、中級者はうーん、そこまで知らなくていいよ、どうせ飲めないし、、、ってなるんですが、その後の現行品のおススメは中級者にも役立つボトル紹介のコーナーといえます。

最後の章で簡単にウィスキーの歴史、造り方などが紹介されています。

随所に栗林氏のウィスキー愛をひしひしと感じる一冊となっているので、ウィスキーを愛する皆さんにいつかはおススメ!といえる一冊でした。

気になる方は実際にお手にとってみてください。

では、今日も夜な夜な琥珀色、また!

ABOUT ME
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コロナ禍で沼にはまる。蒸留所の歴史やボトルに込められた情熱に想いを馳せながら夜な夜な琥珀色を求めて旅を続けています。