ピート系のボスはどんなやつだ!?
サトイモの評価:臭い!でも好き!
好き度:8/10
試してみる価値度:9/10 (参考価格 22/6→¥7000円・23/2 ¥6600円)
香り:ピート&スモーキー!ヨード香、慣れてくると麦の甘み、若干のフルーティさが感じられる
味わい:やはりガツンとピートと潮の香りが口の中にたちこめる。フルーティさと甘みが追いかけてくる
絶対に初心者は飲んじゃダメー!
ラフロイグ蒸留所について
ー参照:シングルモルト&ウィスキー大辞典 肥土伊知郎:監修
ウィスキー完全バイブル 土屋守:監修
- 主なブレンド先:ロングジョン、ブラックボトル、アイラミスト
- 年間生産量:285万ℓ
ゲール語で「広い湾の美しい窪地」を意味する。
ここで造られたウィスキーは荒涼とした湿原に潮風を受けて熟成する。
1815年、ジョンストン兄弟により密造酒の全盛時代に設立。
ポットスチルは、初溜、再溜をあわせて7基。
ストレート型、ランタン型でどれも小型のもの。
海藻やコケを多量に含むピート、独自の工夫をこらしたフロアモルティング。
仕込み水はピートが溶け込んだサーネイグ・バーン川の水。
熟成にはファーストフィルのバーボン樽しか使わないという。
スモーキーフレーバーの奥に甘さを加える要因となる。
これらのどれもが、強烈な個性を育んでいる。
正露丸のようなこのフレーバーを利用し、米国の禁酒時代「この匂いは酒ではない、薬だ」と主張し合法的に米国で販売したという。。
他に興味深い逸話として、500年を超えるスコッチウイスキーの歴史の中で、女性がオーナー兼蒸留所所長となったのは1人だけだ。
ラフロイグの中興の祖とも言われるベッシー・ウィリアムソン。
彼女は1950~1970年代のラフロイグを発展に寄与した。
アイラに来たのは21歳の時、ラフロイグの女子事務員として3ヶ月の約束で雇われたのだ。
だが所長に才能を見出され、気づけば71歳で亡くなるまで暮らすことになったという。
ラフロイグの熟成について、
20年前にマネージャーを務めたイアンは当時、こう語る。
多くの人が年数の多いほどシングルモルトはうまいと思いがちだ。でも年月が得るものもあり、年月が失うものもある。蒸発が加えるものもあり、引くものもある。それはただ個性の違いに過ぎない
引用元:もし僕らの言葉がウィスキーであったなら 村上春樹
長熟が必ず美味しいとは限らない。逆に若いがものすごく美味いということがあるんですねぇ、熟成とは奥が深いです
ヨード香(正露丸)=ピート香?の関係
これについて聞いた時は衝撃でした!と共に科学的な根拠だなぁ、と納得!
ぎゅっと要約したいと思います。
クセつよのアイラモルト。
ラフロイグやアードベッグ、オクトモアなどのクセつよは、人によっては病院、ヨードチンキ、正露丸のような、消毒液のような匂いと表現する。
その原因は主にピートにある。
ピートは麦芽を乾燥させるときに使うもの。
ヨード香とは、ピートを焚くと出る物質=グアイアコール。
この成分がヨード香のもとの一つである。
もう一つ、アイラモルトでヨードチンキ、正露丸などを強く感じる原因は潮と関係がある。
アイラ島のピートは潮の影響をふんだんに受けた海藻を含む泥炭。
海藻はヨードを含む。ヨードの主要成分はヨウ素(アルコールに対して溶けやすい)である。
消毒塗り薬で有名なヨードチンキとは、ヨウ素をエタノール(アルコール)に溶かしたもの。
つまりここで、ヨウ素を主成分としたヨードチンキ=アイラの海藻ピートがつながる。
ヨードチンキを含む消毒液はフェノール(アルコール)を希釈して使う。
グアイアコールはフェノールの一種である。
(乾燥させるためピートたきこむ強さのことを、フェノール値、ppmで表す)
薬品臭の理由がここでつながる。
なんとなんと正露丸の8割の主要な6つの成分の一つがグアイアコール!
なんか、ごちゃついてきたね(泣)
まとめます。
ヨウ素を含む海藻ピートで焚いて乾燥させた大麦を蒸留したアイラモルトは、ピート自体に薬品臭が、そしてピートを焚いた時に発生するグアイアコールにより、さらに薬品臭を強く感じるということ。
このグアイアコールという成分は樽からも若干でるのでノンピートのウィスキーでも若干感じるピート感は樽が原因と推測される。
総じて言えるのは、島の泥炭は海と深く接点があり、蒸留所も潮の影響を多分に受けて熟成する。
なので、アイラ島のクセ強ウィスキーは、往々にして同じ条件で、正露丸を感じるといえるのではないでしょうか。
まとめ
クセ強の王者、ラフロイグ。
アードベッグと人気を二分します。
ピートの王者に行く順当な道筋としては、
ブレンデッドのホワイトホース、ジョニ赤、バランタイン、ティーチャーズ、ジョニ黒。
シングルモルトで内陸ピートのアードモアを挟んで、アイランズ、アイラ島へ。
タリスカー、ボウモア、カリラ、ラフロイグ・セレクト(シェリー樽熟成)などへ駒を進め、離脱しないなら(笑)もう正露丸が癖になっている、、。
サトイモは、シングルモルトを飲むようになって、数か月後、ラフロイグ・セレクトに挑戦したのですが、ダメでした、笑。
今では、アイラの何かが手元にないと困る、という体に、、、。
クセ強の常習性、恐ろしい。。
しかし、ラフロイグを牡蠣と一緒に飲んだら(=牡蠣をラフロイグと一緒に食べたら)、本当にぶっ飛びましたね。牡蠣美味し!ラフロイグ美味し!
では、今日も夜な夜な琥珀色、また!